旧統一教会の“ダブスタ初詣”は24年目に突入 約150人の信者が住宅街を埋め尽くす
「ここが、文先生が特高警察の拷問を受けた、戸塚警察署の跡地です」
路上でガイド役の男性が、解説する。文先生とは、故・文鮮明のこと。霊感商法で多数の被害者を出し、現在、文科省から解散命令請求を出されている旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の教祖だ。日本留学中、文は抗日活動に関わり、特高の取り調べを受けたのだという。
今年の元日に統一教会の信者たちが開催した“聖所巡礼”の一幕だ。今年で24年目になる“初詣”で、デモ行進ではない。しかし、高田馬場駅から早稲田大学まで、約150人の信者が住宅街の路上をふさぎながら徒歩で移動。はた目には、何かのデモンストレーションに見えなくもない。
「ここには、文先生の下宿がありました。ここから、人類を救う真の父母さまの活動が始まったのです」
どの“跡地”にも、当時の建物はおろか碑などもない。
ただの住宅街の路地を信者たちが埋め尽くし、立ち止まってガイドの話を聞く。玄関前をふさがれた住宅に、住人が帰ってきた。