江戸時代に学ぶ「アンダーヘア処理」の心得…菊池風磨も香川真司も“処理派”でツルツル!
女性は生理で出血すると、股間が蒸れるし、雑菌が繁殖しやすい。そんな不愉快な状態を改善しつつ、オシャレな見た目も意識して、わき毛とともにアンダーヘアを処理する人が少なくない。アンダーヘアの脱毛というと、女性の専売特許だったが、最近は男性が行うケースも増えているという。
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「初回○○円」「○カ月間無料で全身脱毛を」——電車内やSNSには、激安ぶりをアピールするメンズエステの脱毛広告が目立つ。気になった男性が訪ねると、高額な契約を結ばされるなど、中には怪しい業者もあるというが、それだけ脱毛を希望する男性がいることの裏返しでもある。
メンズエミナルは今年2月、20~30代の男性1004人を対象にデリケートゾーンの悩みに関する調査を実施。それによると、悩みがある男性は「やや」「とても」を合わせて38.5%。その内容を複数回答で質問すると、「毛深いなど見た目」49.5%、「かぶれやかゆみ」46.1%、「ムレやニオイ」38.1%と続いた。女性と同じく、周りからの見た目や不快感を気にしていることが見て取れる。
■男性は3人に1人が「自分で」
では、その対処法はどうなのか。その悩みについて対策を行っている人は、実に62.7%に上った。対処法のトップは、「丁寧に洗浄を行うようにした」が52.1%で、以下、「ニオイを抑えるクリームやムースなどを使用した」(38.4%)、「アンダーヘアのトリミングや剃毛を行った」(36.4%)となっていて、3人に1人は自分でアンダーヘアを処理していることが明らかになったのだ(複数回答)。
この数字を多いとみるか少ないとみるかはともかく、アンダーヘアの処理が定着しつつあることは間違いない。男性アイドルグループSexy Zoneの菊池風磨(29)は2月に放映されたバラエティー番組でアンダーヘアについて「1本もないです」とカミングアウト。“実物”を確認したMC役の芸人は「ツルツルだった」と報告している。
サッカー界では、長友佑都(37)や本田圭佑(37)など海外チームに所属したことがあるトップ選手は、各種メディアで「海外では当然」と口をそろえてアンダーヘアを処理。脱毛せずにシャワールームに入った岡崎慎司(37)はチームメートに「不潔」呼ばわりされたことから、“処理派”に転じたという。香川真司(34)もサッカー番組で“処理派”を公言し、「トゥルン香川です」と笑いを誘っている。
■湯屋の毛切り石ですり切った
ムダ毛があったらシャレにならない芸能界、股間が蒸れ蒸れのスポーツ選手では当たり前のアンダーヘアの処理。前述の調査結果を見れば、それが一般にもじわじわと浸透して、ニッポン男児のアンダーヘア事情も世界に追いついたということなのか。
「江戸時代の男性は、すね毛やわき毛のほか、アンダーヘアの脱毛も積極的に行っていました」
こう言うのは、性人類学者のキム・ミョンガン氏だ。えっ、江戸時代に全身脱毛が! どういうことなのか。アンダーヘアの事情を中心に詳しく聞いた。
「当時の男性はふんどし姿で肌を露出することが多く、体毛が見えることが格好悪く、“恥”ととらえていたようで、身だしなみとしてすね毛やわき毛のほか、アンダーヘアの処理も行っていたようです。銭湯に相当する湯屋には、『毛切石』という軽石が男湯にも女湯にも2つずつ常備されていて、2つで毛を挟んですり切っていたとされます。ハマグリなどの二枚貝は、毛抜きでした。貝で毛を挟んでピンセットのようにして毛を抜いたそうです」
そういわれてみると、浮世絵などに描かれる男性の肌は、腕も脚もツルツルだ。豊臣秀吉や織田信長など戦国武将は立派なヒゲをたくわえていることがあるが、江戸時代の男性はヒゲもあまり目立たない。カミソリが全国に普及したのは江戸時代で、まゆ毛は当時の流行からカミソリで細く整えられたほか、幕府によるヒゲ禁止令で次第にヒゲはすたれ、キレイに剃られることになったという。
「毛切石でアンダーヘアを短くするだけでは、毛先がチクチクして痛い。そこで吉原などの遊女は毛先を線香で焼いて丸める処理もしていたといいます。一般の女性はそこまでしていないのでしょうが、江戸時代は粋を重視する文化ですから、男性も女性も、閨で伸び放題のアンダーヘアを相手にさらすのは粋でないということなのかもしれません。大切なのは、相手への気配りです」
そうすると、「1本もない」菊池や「トゥルン香川」をはじめとする最近の男性の感覚は、遅まきながら世界に追いついたというより、江戸時代に戻ったといってもいいだろう。