日傘に「熱中症警戒レベルが1つ下がる」スゴイ効果! 猛暑対策におすすめのスペックは?
この夏も猛暑になるという。気象庁の3カ月予報によると、6~8月は全国的に平均気温が高く、特に8月は条件次第で史上最も暑かった昨年並みの「災害級の暑さ」も予想される。その猛暑対策に、日傘が思いのほか役に立つという。
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夏を快適に過ごす工夫としてクールビズがスタートしたのは2005年。その一環でノーネクタイやジャケットなしといった軽装も認められるようになっている。旗振り役の環境省では毎年5月から9月末までがクールビズ期間だ。
その環境省は、さらなる暑さ対策、熱中症対策として日傘の活用を推奨する。実際、日焼けを気にする女性はすでに日傘を差しているし、最近は日傘を使う男性も目にするようになった。
男性の医療脱毛専門院「メンズリゼ」は22年と23年に続き、今年4月にも10~40代の男性600人を対象に日傘についてのアンケートを実施。それによると、日傘を差す男性を見たことがある割合は48.0%で、それを肯定的とするのは2年前に比べて12.5ポイント増の92.2%に上る。日傘男子のイメージは決して悪くないことが見て取れるだろう。
しかし、すでに使用している男性は13.5%。使用してみたい男性は7.5%。それぞれ昨年より5.5ポイント、1.1ポイント増えているものの、まだ少ない。検討中の男性が56.0%であることが示すように、日傘男子が本格的にデビューして拡大するのはこれからだ。
■薄曇りでも紫外線は8~9割
調査を実施した「メンズリゼ」総院長の赤塚正洋医師が言う。
「環境省の『紫外線環境保健マニュアル2020』によると、『1年間に浴びる紫外線の70~80%は4~9月に集中』しています。ですから梅雨入り前の今から日傘を積極的に使用して暑さ対策を心掛けること。来年からはぜひ、紫外線が強くなる前の4月から日傘を差してください。日焼けや肌ダメージを防ぎ、光老化対策ができます」
光老化とは、慢性的な紫外線障害で、一般的な加齢による老化に上乗せされて生じる。加齢による老化は皮膚の厚さや色が薄くなるが、光老化は紫外線の防御反応として皮膚は厚くゴワゴワし、色は濃くなる。
そう、いわゆるシミやシワだ。年を重ねて顔に深いシミやシワができるのは長年の紫外線の影響にほかならない。体を見れば分かるように紫外線の影響を受けにくい内股などは、皮膚が白く、シミもシワもないだろう。これらが加齢の影響と思っている人は、考えを改めるべきだ。
気象庁が1997~2010年、札幌、つくば、鹿児島、那覇で天気ごとの紫外線量を推定(鹿児島のみ05年まで)。その結果、快晴を100とすると、雨は約3割にまで低下するが、薄曇りは8~9割、曇りは約6割とそれほど少なくないことが判明した。赤塚医師の説明通り、4月以降は曇りの日も晴天時同様に紫外線対策が必要だ。
前述したようにこの夏は、昨年に続いて「災害級の暑さ」も予想されている。日傘デビューをためらっている男性も、そろそろ腹を決めるときかもしれない。
「日傘を差すと、自分の周りに大きな日陰ができます。これは、ほかの紫外線対策グッズでは得られない日傘のメリットです」(赤塚医師)