樹齢3000年の屋久杉が台風10号で倒木…山岳ガイド代表が語る「森はまた再生」の神秘
30年前にも台風による倒木が…
倒木した弥生杉を発見した渡邊氏は、登山道を共有するグループに現状を報告。そのことを人づてに聞いた白谷雲水峡を管理する「屋久島レクリエーションの森 保護管理協議会」から連絡を受け、倒木した弥生杉の写真を提供したという。
「今から約30年前にも『蛇紋杉』という屋久杉が台風で倒れたことがありました。ですが、蛇紋杉はその後も撤去されず、そのままの姿で今でも残されています。大きな木が倒れることで森に大きな窓が空き、光が差し込む。そして光が差すことによってまた新しい命が生まれるんです」(渡邊氏)
渡邊氏が語るように、倒木した蛇紋杉の周りは再生し、新しい森となっているという。
「もちろん弥生杉が倒れたことは残念ですが、新たな生命が生まれるという意味ではマイナス面ばかりではないと思います。弥生杉に関しては今後、関係機関が協議して(撤去するか否かも含めて)決めると思いますが、個人的には自然の循環を伝える場所として、残しておいた方がいいのではないかと思います」(渡邊氏)
果てしない自然の循環によって、また新たな森が生まれることを望みたい。