大阪府の8割の小売店でコメ品切れ発生だが…吉村知事「備蓄米放出しろ」が腑に落ちないワケ
「大阪府は物価高を背景に、昨年2回、子育て世代にコメなどの食品を購入できるクーポンを配布しています。今年6月にも同様の支援策を実施しましたが、実際のところ、卸売業者はこれに対応する在庫を用意できていませんでした。期限のあるクーポンによって余計な需要が喚起されたことで、大阪の市中在庫は一気に逼迫したため、卸売り間の売買価格は大幅に吊り上げられました。大阪のスーパーでは6月あたりから、通常実施されるコメの特売がなくなりました」(米流通評論家の常本泰志氏)
6月は、年に1度の新米シーズン直前。さらに、前年度産のコメも“くず米”といわれる網下米の不足とインバウンド需要で在庫が逼迫していたため、残念ながらせっかくの子育て支援策も非常に間が悪かったという。
「吉村知事は備蓄米を放出しない農水省を悪者扱いしていますが、本来、備蓄米の放出は不作の際に実施されるべきものです。昨年の作況指数は101なので、これに該当しません。令和6年産がもし不作だったときのために、100万トンほどある備蓄米はセーブしておくべき」(常本泰志氏)
吉村知事の「備蓄米を放出しろ」発言に腑に落ちないという声が聞かれるわけだ。