「夫婦でラーメン1万円でも安い」と思えるNY現地ルポ…インフレを賢く生き抜くニューヨーカーの知恵

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節約志向で飲酒が減りフードトラックが重宝されるように…

 とはいえニューヨークで働く人たちがみんな高収入なのかと言えばそうではないし、私だけでなく生粋のニューヨーカーたちもこの物価高に不満がないわけではない。日本と同じく、多くの人が工夫して生活費を節約している。「お金の無駄」と言って飲酒しない人が増えているし、同時に外食の頻度も減る。ランチはなるべく家で作っていくか、スーパー内のデリや、ニューヨーク名物とも言えるフードトラック(チキンオーバーライスで一般的に8ドル~10ドル)が重宝されている。

 そんな中、ラーメン1杯の節約法として我が家はAmazonを利用。日系スーパーでも日本のインスタントラーメンは売っているが、日本でよく見るような本格的な味わいの商品をあまり見かけない。Amazonで見つけたのが「日清のラ王」1パック6袋入りで16.08ドル(1食当たり2.68ドル=約412円)。最初は"試しに"と1パックずつ購入したが、夫も私もそのクオリティーの高さに大満足したため、これを定期購入にして15.28ドル、1食2.54ドルとさらにお得に味わっている。2人分でも5.08ドル(約782円)で済むうえ、具材はその時々で自宅にある肉や野菜でアレンジでき、おなかの空き具合に合わせてボリュームも調整出来るので、食いしん坊の夫にも大好評だ。今のところ、しょうゆととんこつを定期購入している。ラーメン好きはニューヨーカーにも多いため、ある友人夫妻は日本にもある会員制大型スーパーCostocoのフローズン豚骨ラーメン(6個入り13.99ドル)を常備していると言っていた。

 最近では最低時給がニューヨークの16ドルより高い18.67ドルであるサンフランシスコや、カリフォルニア州の物価高が深刻だとニューヨーカーたちの間でも話題になっている。ようやく落ち着きを見せているインフレの再加速が懸念されるトランプ政権を待ち受ける中、日常生活にいかに工夫を取り入れるか、些細な情報にもアンテナを張っていきたい。

(Chie Honda/NY在住ジャーナリスト)

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 日本でもインフレに苦しむ人が急増中。関連記事【あわせて読む】加谷珪一氏による生活防衛術は必読だ。

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