「夫婦でラーメン1万円でも安い」と思えるNY現地ルポ…インフレを賢く生き抜くニューヨーカーの知恵

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 今年10月12日で夫と共に米ニューヨークへ移住して丸2年が経った。脱コロナに伴って世界的にインフレーションが加速する中、円安(当時1ドル=約147円)も相まって、当初はカフェでコーヒー1杯注文することも「5ドル=735円」と円換算する度にビクビクした。円貯金になるべく手をつけたくないのは今も変わらないが、幸いグリーンカードを取得してからの移住だったためすぐに仕事も見つかり、ドル建ての収入を得るようになってからは米ドル高はもちろん、ニューヨークの物価高にも慣れた。

 例えば、移住当初に見つけた日系のラーメン店「Setagaya(せたが谷)」。私のお気に入りは植物由来の素材だけで作られたとは思えないほどのコクがあり、マイルドで香ばしいスープにスパイシーソースが効いたビーガン担々麺(17ドル)、夫が辛味噌ベジラーメン(19ドル)を注文すると、36ドル。これに売上税(ニューヨーク市税、ニューヨーク州税など)約9%(3.24ドル)、チップは15%、20%、25%、SKIPの4択制で一般的な20%(7.2ドル)を選ぶとして、現在のレートである1ドル=約154円で計算するとラーメン2杯で合計7096円を支払うことになる。人によっては、トッピング(チャーシュー3ドル、玉子2ドル、メンマ2ドル、味付豆腐2ドル、スパイシーソース1.5ドル、わかめ1.5ドル、替え玉3ドル)もしたいだろうし、飲み物(炭酸飲料2ドル~)も欲しいだろうから、ラーメン店でおなかいっぱいにしたい日本人ならすぐに二人で1万円を超えてしまう。ただニューヨーク生活では、これもかなりリーズナブルな外食と言える。

 その理由の一つとして、ラーメン店に対する価値観の違いがある。日本では小腹が空いた時、仕事の合間であまり時間がない時など滞在時間30分もかけずに食すファストフードの一つ。しかし、ここニューヨークでは友人や家族、もしくはデートとしてディナーを楽しむレストランとして、マンハッタンにある大手チェーンの一風堂などでは行列ができるほど愛されている。その点で言えば、本格的な寿司レストランやフレンチレストランに比べるとよりカジュアルなディナーと言えることは間違いない。

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