公的年金“不公平”議論どうなる?「第3号被保険者」制度の廃止をめぐり賛否が真っ二つ
SNS上で《廃止されたら金持ち夫婦しか専業になれない》《第3号の制度があるから夫婦の役割分担ができている》《廃止されたらPTAは誰がやるの?塾の送り迎えは?いろんな場面で社会が回らなくなると思うけど》といった反対の声が上がるのもこのためだ。
「第3号被保険者」の保険料負担に対する「不公平」との声についても、衆院調査局調査員はリポートでこう指摘している。
「厚生年金では、加入期間が同じ場合、世帯1人当たり賃金水準が同じであれば、どのような世帯構造であっても世帯1人当たりで見た金額や所得代替率は同じになり、世帯類型による違いは生じない」「厚生年金に加入する被用者世帯においては、片働き世帯か共働き世帯かによらず、夫婦の合計賃金が同じであれば、同じ合計年金額であり、『負担と給付の関係』をめぐる公平性は保たれていると見ることができる」(国民年金第3号被保険者制度についての一考察より)
そして、少なくないのが《第3号が廃止されたら未婚率も上がる》といった投稿だ。
年金部会の資料によると、「第3号被保険者に新たに保険料負担を求める場合、免除や未納となり将来低年金となる可能性がある」との見方もあり、将来不安などから結婚、出産に二の足を踏むのではないか――というわけだ。