「高額療養費」見直しへ厚労省が修正案で“幕引き”画策…患者団体の提示を逆手に妥協点探る姑息
そもそも、政府の修正案は、当事者である全国がん患者団体連合会が、議論のたたき台として政府に提示したもの。いわば「最低条件」だ。それを政府は逆手に取って妥協点を探るとは、幕引き以外の何物でもない。
■もしもの保障を削るに等しい
政府を後押しする動きも出てきた。健康保険組合連合会(健保連)などが13日、厚労省幹部と面会し、負担上限の引き上げを「予定通り」に実施するよう要望。引き上げによって保険料負担の軽減が見込めるとの理由だが、厚労省の試算によれば、見直しによる「保険料軽減額」は1人あたり年1100~5000円程度だ。月90~400円のために、がん・難病患者に負担を強いるとは血も涙もない。
「多数回該当の修正だけでは不十分。負担上限引き上げによって、多数回該当が適用されづらくなる問題を考慮していません。誰でもがんや難病を患う可能性があり、療養費制度の見直しは、もしもの保障を削るに等しい。それこそ現役世代にとって許しがたい話のはずです」(全国保険医団体連合会事務局次長・本並省吾氏)