日本の少子化をとめるため…「TENGA」とAV男優・森林原人氏からの提言
20代の14.6%が「勃起力の低下」を実感
とはいえ、男性がより性に積極的にならなければ、日本の少子化は食い止められない。アンケートでは50代、60代はまだしも、すでに20代から「勃起力の低下」や「性欲の減退」に悩む回答が目立っている。
「男性週刊誌のセックス特集は高齢者向けが多く、若い男性へ向けた記事は若年向け雑誌の廃刊や休刊も重なって減ってきています。もっとも、若い人が性的コンテンツを楽しまないというわけではありません。ただ、男性週刊誌のような過激な内容ではなく、もっとライトな『微エロ』という分野です。具体的には“パンチラ”や“オナニー”といったジャンルに人気がある。若い人にとって直接的なセックスはリアリティーがない。セックスした後で訴えられる可能性もあるわけで、セックスは“リスク”なのです」(森林氏)
TikTok(ティックトック)やインスタグラムでかわいい女性を探し、その女性のメンバーシップ(有料サブスクリプション)でオナニー配信を視聴できるサービスがある。例えば、都内某女子大生のフォロワー数は25.5万人。「今まで見たどんな女性よりかわいい」「どこに行けば会えるの?」といったコメントがズラリと並ぶ。
「実は、この女性はAI(人工知能)が自動生成した“架空の美少女”です。AIがつくった女性だと知らず、課金してオナニーシーンを見る人が多い。こういったAI自動生成のエロコンテンツは今後、確実に増えていくと思われます。若い人にとって生身の女性とのセックスはハードルが高く、実際、医療技術の発達でセックスを伴わずとも女性を妊娠させることができますから」(森林氏)
自分が見たエロ動画がまさか機械がつくったものだとは驚き。そうしたAI自動生成の動画を見てみると、学生風から熟女まで理想的な顔とプロポーションの女性(架空なのでいくらでもつくれる)がいて、そんな美女たちがあられもない行為を行っている。
「生身のセックスは、他者とつながる喜びがあるのですが……。芸人さんもエッチな話はしにくいみたいで、昔は『早漏』で笑いがとれたものですが、今は『何がおもしろいの』と聞き返されます」(森林氏)
■ピストン回数まで制限されるAV撮影現場
「2022年に施行されたAV出演被害防止・救済法で、撮影現場も様変わりしました。もちろん、女優さんへの行為の強制は絶対にあってはいけません。時には撮影中に盛り上がった女優さんから『おとなのオモチャを使ってほしい』とねだられることもありますが、これは絶対にダメ! 監督が飛んできて、後で契約違反として訴えられる可能性から台本通りの進行が求められます。体位についても契約があり、台本通りに進めなくてはいけません。極め付きは、ピストンの回数制限。『今日の現場は2000ピストンまで』などと回数制限があり、それを超えると契約外の行為を強制されたとなってアウトになるのです」(森林氏)
もちろん、性行為の強制やセクシュアルハラスメントも言語道断。ただ、せめて男同士だけでもカジュアルにエロ談議ができるような環境が必要かもしれない。