為替トレンドが約3カ月ぶり「円高・ドル安」水準に…賃上げにも暗雲、この先どうなる?
適正水準で止まらない可能性も
そうなると、この先も円高トレンドなのか。円高はどこまで進むのか。日本商工会議所会頭が以前、中小企業にとっての適正水準は「130円前後」と話していた。
「FRB次第です。年内は動かないでしょうから円高基調が続くということになります。来年については、マーケットは米国が利下げすると予想しているので、それが裏切られたらまた円安に流れが変わるかもしれませんが、米国が利下げの方向になれば、円高が続く。
今夏ごろまでは、1ドル=110円や120円は当分あり得ない、という空気でしたが、円高が進み出したら適正水準で止まらない可能性もあります。いずれにしても、日本はあまりに急激な円安に振れすぎてしまったので、庶民生活まで為替に振り回されるようになってしまいました。値上げされた食品は円高還元で値下げしてもらいたいものです」(斎藤満氏)
円高が加速すれば、大活況のインバウンド経済への影響大。大企業の業績見通しも不透明になり、春闘の賃上げムードに水を差しかねない。それで物価も下がらなきゃ、庶民は踏んだり蹴ったりだ。