【表あり】史上最高値更新は通過点、株価は“5万円時代”へ…「新NISA」フィーバーで稼ぐ術

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「買い」の本格化はこれから

 株高の背景に1月スタートの新NISAの存在があるのは確か。金融庁の栗田照久長官は今月のイベントで昨年12月末のNISA口座数が2136万となり、この1年で19%伸びたと明かした。

 新NISAの話題が続くなか、1月以降の口座数は劇的に伸びているという。

「多くの人に申し込みいただいていますが、手続きに時間がかかっていて、1カ月近くお待ちいただくケースも出ています。こうした人たちが、これから株式市場に新たに参入してきます」(松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリスト)

 新NISAによる買いが本格化するのは、これからという見方ができるのだ。

「NISA枠のうち、現在、どれぐらい使っているか(消化率)の統計を取っています。成長投資枠(年間240万円まで)は12.2%、つみたて投資枠(同120万円まで)はわずか1.16%です。買い付け余力は、十分過ぎるほど残っています」(窪田朋一郎氏)

 新NISAが牽引する“株高フィーバー”の本番はこれから。市場関係者が強気になれる理由の一つだ。

■どんな銘柄が人気?

 新NISAで買われている銘柄は? SBI証券の買い付け金額トップ5(2月12~16日)を見ると、1位JT、2位KDDI、3位日本製鉄、4位NTT、5位トヨタ自動車で、日本を代表する優良企業がズラリ。配当利回りも魅力的で、JTや日本製鉄は4%超えだ。

 楽天証券には、1月に日本株デビューした投資家が対象の「将来の資産形成が目的」で買った銘柄のランキングがある。中長期保有が前提だろう。1位NTT、2位日経平均高配当株50指数連動型ETF、3位三菱UFJフィナンシャル・グループ。安心感のある銘柄群だ。

 NISA以外も含めた売買代金の上位はどうか。松井証券(2月19~22日)の統計は、1位レーザーテック、2位ソフトバンクグループ、3位アドバンテスト、4位SCREENホールディングス。5位の日経平均レバレッジ上場投信(ETF)は、日経平均に連動している。昨年末と比較した22日時点の上昇率は36.23%と、日経平均の上昇率(35.59%)とほぼ同じ。わずか2カ月弱で3割以上も上がったのだから、ほくそ笑んでいる投資家は多そうだ。

「ここから投資するなら、半導体関連やEV、再生可能エネルギー、食料に絡む企業でしょう。そして、こうしたテーマに共通するのがAI(人工知能)。特に生成AI関連は見逃せません」(清水秀和氏)

 松井証券の窪田氏も指摘する。

「チャットGPTを手掛ける米オープンAIが、今月半ばに動画の生成AI『Sora(ソラ)』を発表しました。これは衝撃です。インターネットが登場したときのような可能性を感じます」

 株価4万円は射程内。市場は5万円時代を見据える。新NISAフィーバーに乗っかりたい。

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