“為替介入”には限界がある…「超円安時代」の賢い資産防衛術
円高は1ドル=140円まで
為替介入には限界がある。介入の原資となる外貨準備高は約200兆円だが、即座に対応できる現預金などは約45兆円。ここが当面の限度額だから、そう何度も介入できない。
タイミングを誤れば、投機筋の餌食となり、円高反転どころか円安に歯止めが効かなくなる。
「円高はどこで止まるか。140円あたりが限界だと思っています。ドル資産を保有するなら、そのあたりが狙い目でしょう。1ドル=100円時代など、もう来ないと思ったほうがいい」(清水秀和氏)
IMFの購買力平価(モノやサービスの値段を基準にした為替レート)は1ドル=90.82円(2024年4月時点)。実際の為替レートとの乖離はすさまじいだけに、いまは“行き過ぎた円安”と判断する金融関係者は多い。
「為替に敏感な輸出企業の想定為替レートを参考にすべきでしょう。円安がどこまで戻るかの目安になります」(清水秀和氏)
トヨタ自動車は1ドル=143円(24年3月期第3四半期の発表時、2月
6日)、アドバンテストは140円想定(25年3月期)、ディスコは145円(25年3月期4~6月)となっている。
MMFだけでなく、外貨預金、米国株式、投信などドル資産の購入を考えるなら、1ドル=140~145円で手を打ったほうが得策かもしれない。