著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

ダイドーリミテッド(上)物言う株主に抵抗し、総会直前に急きょ経営陣を入れ替え

公開日: 更新日:

 SCの発表資料によると、取締役候補は元ブルックスブラザーズ最高財務責任者(CFO)の中山俊彦氏、元オンワード樫山社長・会長で現在、業界団体の役員を務める大澤道雄氏。中山氏は社長就任を予定し、ほか5人は社外取締役候補だ。

 SCの取締役候補が明らかになるとダイドーの経営陣に衝撃が走った。ブルックスブラザーズ、オンワード樫山はともにダイドーと密接な関係にあったからだ。

 衣料ブランド「ブルックスブラザーズ」を国際展開していた米ブルックスブラザーズグループは、20年に米連邦破産法11条の適用を申請し、経営破綻した。そのため、ダイドーとの合弁会社だった日本法人は、ダイドーが出資比率を引き上げて連結子会社に組み入れていた。

 オンワード樫山(現・オンワードホールディングス)との関係は深い。両社は04年に資本・業務提携。06年にオンワードからダイドーに社長を派遣。07年にオンワードはダイドーの保有株比率を高めて持ち分法適用会社にした。以来、ダイドーの副社長はオンワード出身者の指定席となった。

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