日立が家庭用エアコン「白くまくん」切り捨て…業務用とで雇用にも明暗
「建設ラッシュが続くデータセンター向けなどに今後も需要増が見込める」(日立関係者)業務用を自社に温存する一方、「白くまくん」はITとの親和性が低いとみて切り捨てる格好だ。1250億円の株売却益は26年3月期決算に計上する。
日立では「栃木事業所の従業員(約1600人)の雇用は維持される。またボッシュとライセンス契約を締結、GLSを通じて『白くまくん』ブランド製品の国内販売は当面、続ける」(幹部)としている。「白くまくん」がすぐに消えてなくなるわけではないというわけだ。
ただそれもボッシュの腹一つといったところだろう。国内販売が振るわなければ抱え込んでおくメリットはないし、次期新製品の開発などに投資を振り向けるのは無意味だ。ライセンス期間など契約の具体的な中身の詰めもこれからだ。
栃木事業所関係者からは「リストラされそうになったら環境保護団体などに呼び掛けて『白くまを守れ!』の叫びを挙げてもらう」といった半ば“自虐ネタ”も漏れる。