アリナミン製薬(上)武田薬品から離れ生々流転…ファンド間で転売される
アジア系投資ファンド、MBKパートナーズは7月3日、アリナミン製薬(東京都千代田区)の買収を発表した。売り手は米投資ファンド、ブラックストーン・グループ。金額は3500億円とみられる。アリナミンのブランド戦略を強化し、アジアでの成長を目指すという。
ブラックストーンは2021年、武田薬品工業から2420億円で、一般医薬品(大衆薬)事業の旧武田コンシューマーヘルスケア(現アリナミン製薬)を買収した。主力商品はアリナミンや風邪薬、ベンザブロックなどだ。
ブラックストーンの傘下に入り、22年、茶のしずくブランドで石■やスキンケア製品を展開する通販会社、悠香ホールディングス(福岡県大野城市)を買収した。製品で小麦アレルギーを発症したとして利用者から損害賠償を求められていた訴訟が和解したことで買うことにした。
24年7月、サプライチェーン強化のため、武田薬品の子会社で、アリナミンブランド製品の一部を製造委託していた日本製薬(大阪府泉佐野市)を手に入れた。
アリナミン製薬の決算公告によると、23年3月期の売上高は639億円。買収があった2年前(533億円)に比べ、20%増えた。