「うまい棒」値上げが波紋…コスト高に苦しむ駄菓子業界、メーカーが吐露した“ジレンマ”

公開日: 更新日:

子どものために、価格転嫁はナーバスになる

「あらゆる製造コストが上昇し、値上げ圧力は高まっています。一方で、駄菓子は子どもが手にするものだから、価格転嫁にはどうしてもナーバスになる。お菓子にくじをつけるのもコスト増要因なので年々厳しくなっていますが、子どもの楽しみですからなんとか残していきたいと思っています」

 子どもにとっては、1円だって大きい。駄菓子メーカーが極力値上げを抑えたいと思うのは当然で、各社は奮闘している。「フィリックスフーセンガム」で知られる丸川製菓(愛知)の企画部にも聞いてみた。

「駄菓子以外にボトルガムなどを販売しており、売れ行きは好調です。大人やインバウンドの方に向けた商品なども充実させ利益を確保することで、子どものためにも駄菓子の値段をなるべく守っていきたいです」

「ココアシガレット」で知られるオリオン(大阪)もこう言う。

「駄菓子は薄利多売が原点ですが、『ココアシガレット』をタブレット状にした大人向けの商品なども販売し、多角化しております。私たちにはこれまで築き上げたブランド力や発想力がありますので、皆さんに手に取ってもらえる商品を生み出し売り上げを維持することで、なるべく値上げをしないよう頑張っていきたいと思います」(高岡五郎常務)

 駄菓子の安さと楽しさは、メーカーの企業努力によるところが大きいようだ。

  ◇  ◇  ◇

 1960年創業の株式会社やおきんに、日刊ゲンダイ記者が突撃! 「うまい棒」のパッケージに描かれているキャラクターの正体は? ●関連記事【もっと読む】『「うまい棒」でおなじみ駄菓子の老舗やおきん ヒット商品作りの極意は「購買層に合わせない」』で触れている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ吉井監督が佐々木朗希、ローテ再編構想を語る「今となっては彼に思うところはないけども…」

  2. 2

    20代女子の「ホテル暮らし」1年間の支出報告…賃貸の家賃と比較してどうなった?

  3. 3

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 4

    「フジ日枝案件」と物議、小池都知事肝いりの巨大噴水が“汚水”散布危機…大腸菌数が基準の最大27倍!

  5. 5

    “ホテル暮らし歴半年”20代女子はどう断捨離した? 家財道具はスーツケース2個分

  1. 6

    「ホテルで1人暮らし」意外なルールとトラブル 部屋に彼氏が遊びに来てもOKなの?

  2. 7

    TKO木下隆行が性加害を正式謝罪も…“ペットボトルキャラで復活”を後押ししてきたテレビ局の異常

  3. 8

    「高額療養費」負担引き上げ、患者の“治療諦め”で医療費2270億円削減…厚労省のトンデモ試算にSNS大炎上

  4. 9

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  5. 10

    松たか子と"18歳差共演"SixTONES松村北斗の評価爆騰がり 映画『ファーストキス 1ST KISS』興収14億円予想のヒット