新車より高値の“逆転現象”なのに…中古車販売店の倒産が激増するナゼ
そしてさらにこう述べる。
「中古車を扱うディーラーが増え、ユーザーは専業の中古車販売業者から、事故がなく安心して乗れて車種も豊富なディーラーが扱う中古車に関心が移っています。その結果、車の仕入れで苦戦を強いられ、経営不振に追い込まれる小零細販売店が増えてきているんです」
専業の中古車販売店はオークションで販売する車を仕入れるが、人気車ほど出品が少なく、業者は売る車の確保が難しい状況になってきているのである。コロナ禍で半導体など部品の供給不足から新車の納入が遅れて中古車市場が盛り上がり、新規業者の参入が増えたことも要因だ。
コロナ禍が落ち着いた現在も新車の納入遅延が続いているため、中古車の仕入れ確保でディーラーを含め中古車販売会社の競争が激化している。こうした背景を佃モビリティ総研の佃義夫代表が説明する。
「少子化や車利用者の減少など国内需要が縮小しているうえ、新車の納入遅れでディーラーは業績確保のため中古車販売を強化し、ユーザーの囲い込みを進めています。新車の納入遅延で人気車種の下取りは減り、仕入れが少なくオークション業者も四苦八苦している状況のなか、仕入れ価格の高騰で業者間の競争が激しくなっているんです」