2回目の米ロ会談は進展なし…トランプ大統領は自画自賛も、実際は“ならず者”プーチン大統領が独り勝ち
4年目に入ったウクライナ戦争をめぐり、18日に実施された米ロ首脳による2回目の電話協議はほぼ進展がなかった。トランプ大統領は「非常に良好で生産的だった」と自画自賛だが、プーチン大統領は一歩も譲っていない。侵攻の目的であるウクライナのNATO(北大西洋条約機構)加盟断念や、ゼレンスキー大統領退陣と親ロ政権の再樹立など、従来の主張を展開。返す刀で米欧による軍事支援停止も要求した。むしろ、ならず者ペースだ。
ホワイトハウスの発表によると、両首脳はエネルギー施設やインフラに対する攻撃停止から「平和への動き」を始めることで合意。一方、クレムリンはエネルギー施設への攻撃停止をプーチン大統領が命じたとしたものの、米国がウクライナと合意した〈30日間の全面的な即時停戦〉には「前向き」とするにとどまった。
筑波大名誉教授の中村逸郎氏(ロシア政治)はこう指摘する。
「米ロ会談直後、ロシア南部クラスノダールの石油貯蔵施設にウクライナ軍のドローンの残骸が落下し、火災が発生したと当局が発表しました。真偽は不明ですが、ゼレンスキー氏は信じるに足らないと印象付けるための自作自演の可能性がある。譲歩する理由のないプーチン氏とヘタに合意すれば、逆手に取られるのがオチ。そうでなくても、トランプ氏の取引センスは極めて疑わしい。北朝鮮の金正恩総書記との非核化協議でも明白です」