楽天 マー君の巨額移籍金で「開閉式ドーム球場」建設プラン
そこで最初にドーム球場の移転候補地に挙げられたのは、仙台市郊外の遊休地や隣接するJR所有のエリア。そこなら県が土地を融通してくれるという話もあった。
しかし、新球場建設となると、数百億円規模の莫大な建設費が必要となるうえ、05年の球団創設以来、楽天が自己資金で増改築を繰り返してきたKスタのスタンド、バックスクリーン、室内練習場を含めたこれまでの数十億円の投資はパーになってしまう。
「当初、ドーム計画に乗り気だった宮城県も、東日本大震災以降、状況が一変してしまった。楽天が新球場建設を要望しても、『予算がない』の一点張り。ドーム球場より先に震災復興は当然だけに、現存する場所に手を加えるのがベストという判断を下したようです」(前出の関係者)
<「市民の理解を得る方法はある」>
それなら都市公園法はクリアできるのか。宮城県のスポーツ健康課に問い合わせると、こんな答えが返ってきた。
「県が条例化した都市公園法には、敷地面積に対する建物の制限があります。建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)というのですが、原則は2%と定められています。しかし運動施設には特例措置があり、割合は12%の制限になります。宮城球場がある公園の面積は約21万平方メートル。球場だけでなく他の建物、例えば陸上競技場のスタンドや小さい管理小屋なども含めて12%以内に収めなければなりません。実際に開閉式の屋根を付けられるかどうかは計算しないと分かりませんし、球場自体を造り直すことも可能ですので、それによって(建ぺい率と屋根を付けられるかどうかは)変わってくる。12%という数字を変えるためには地元市民の理解を得るなどという方法がありますが、現実的には変更は難しいと思われます」