中田賢に4年総額10億円約束…問われるソフトBの「眼力」
「ソフトバンクの条件が良すぎるとは思うが……」
某球団の関係者がこう言った。中日からFA宣言し、ソフトバンク入りが決定した中田賢一(31)のことだ。
ソフトバンクは4年契約を提示。出来高を加えると最大で10億円に達する大型契約となった。今季年俸は7000万円だから、破格の待遇といえる。
中田を巡っては、阪神も4年契約、ヤクルトも4年5億円プラス出来高といわれる条件を提示したとみられている。中田と交渉したこの3球団に加え、巨人、楽天なども水面下で調査をしており、今オフにFA宣言した選手の中で最も人気が高かった選手といえる。
一方、フラれた中日は、中田がFA宣言した際、「こちらとしては絶対に必要な戦力。条件を伝えているし、ドラゴンズに残ってくれると信じて待つ」(西山球団代表)としていたが、冒頭の関係者は声を潜め、「中日の条件が一番下だったかもしれない」と言って、こう続けた。
「他球団が年俸1億円以上を用意したのに対し、中日は2~3年程度の複数年契約で年俸は1億円にも満たず、しかも1年ごとの年俸変動制だったと聞く。今オフは落合GMが就任し、選手が軒並み大減俸を食らっている。中田の成績(4勝6敗、防御率3.40)なら、FA権を行使していなければ、現状維持がいいところ。それを踏まえたとしても、中日は最初から中田が出ていくのを覚悟していたとしか思えない」
大金を出すソフトバンクが「正解」か、放出やむなしと判断した中日に「見る目」があったか。すべては中田の来季次第だ。