「うまい」からこそ不安になる 角界のホープ遠藤の将来

公開日: 更新日:

「あんな相撲は本当の相撲じゃない」
 ちまたでこんな声が聞かれるのが、新鋭の遠藤(23)だ。

 まだ入門1年目とはいえ、技は多彩。土俵際に追い詰められてから逆転勝ちすることも多く、親方衆ですら「見事!」と感心している。

 一方、正面からぶつかって四つに組んでの王道相撲は少ない。なるほど、冒頭のファンのように「曲芸さながらのモンゴル相撲みたいだ」という不満の声が上がるのも無理はないだろう。

 ある角界関係者は「日大相撲部出身の学生横綱であることと無関係ではない」とこう言う。
「学生相撲の大会はトーナメント形式のため、何よりも『勝つ相撲』が求められる。大相撲と違って興行ではないので、どんな手を使ってでも勝てば官軍。そのため、小技やはたきを連発する力士も多い。やはり学生横綱の千代大龍も当初ははたきを多用しすぎて、師匠の九重親方(元横綱千代の富士)から『相撲をなめるな!』と怒られたこともある」

 地道な努力よりも技を磨いた方が勝利への近道になる。学生相撲出身で横綱にまで上り詰めたのが輪島しかいないのも、そうした事情と無関係ではないだろう。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇