今年のセンバツは不作? プロが目玉選手に付けた“値段”
「タマがいないなぁ」
今年のセンバツ、こう言って苦笑いを浮かべるネット裏のスカウトは少なくなかった。
今秋ドラフトの目玉右腕の安楽(済美)、昨夏の優勝投手・高橋(前橋育英)は不在。
「目立ったのはチームを4強に導いた左腕・田嶋大樹(佐野日大)と、野手では初戦で1試合2本塁打をマークした岡本和真(智弁学園)くらい」と彼らはクチをそろえる。
田嶋については、巨人の山下スカウト部長が「ドラフト3、4位の選手じゃない。1位もある」と大絶賛すれば、広島の苑田スカウト部長も「145キロの速球に加えて、スライダーがいい。僕は何十年とスカウトをやっているが、アマ時代に変化球がいい投手はプロで大成する。アーム投げに見えて肩肘の可動域が広いので、リリースの時に肘が前に出ている。肩、肘を壊すタイプではないと思う。大野雄大(佛教大→中日)も大学時代は田嶋と似たようなフォームだったが、プロに入って修正できている」と評価する。
■「ワンポイント」
ただし、本音は別だろう。「1位は言い過ぎ。課題もある」とはパの某球団の関東担当スカウト。