巨人ドラフト戦略変化 1位候補にあの春夏連覇投手が浮上
■社会人拒否で退路断つ
島袋洋奨(4年)は沖縄・興南時代に甲子園春夏連覇を達成。輝かしい実績を引っ提げ、中大に入学したものの、通算11勝17敗と伸び悩んでいる。各球団がドラフト上位候補としている前出の投手より下の位置付け。エース兼主将となったこの春、最初の登板となった8日の亜大戦も、5者連続四死球を含む6四死球と大乱調。ネット裏に陣取ったスカウト陣をガッカリさせた――はずだった。
が、前出のスカウトは「直球は150キロが出る。左でこれだけの球威はやっぱり魅力。この前は大乱調だったけど、投げ急いでいたフォームを微調整している過程と聞いているから、わずかなきっかけで復調するとみている。これで回避する球団が出てくれば、むしろラッキーかもしれない。有原に人気が集中しているだけに、そう取っている球団はあるはずです」と言うのだ。
12年まで中大監督を務め、入学時の島袋を指導した高橋善正氏(評論家)はこうみる。
「入学当初、島袋の投球フォームはいじらないようにした。それで甲子園を連覇してきているわけだから。ただ、『将来プロへ行くなら、いつでもストライクを取れる変化球のコントロールは磨いていこう』とは話した。OBの巨人・沢村もそうだけど、直球がいくら速くても、変化球の精度が悪ければプロでは間違いなく苦労する。リーグ戦開幕前に島袋と話す機会があって、社会人の誘いは全部断り、つまり退路を断って、進路はプロ一本に絞ったと聞いた。主将として、どうしても優勝したいとも言っていた。あるいはそれが重圧となってメンタル面が投球に影響しているのかもしれない。それだけの覚悟をしたのだから、復調を待ちたいですね」