ソフトバンク東浜を復活させた「二軍でも完投主義」
「少し球数を投げて6回しか投げられなかったけど、次は7回、8回と投げていきたいです」
ソフトバンクの東浜巨(24)がお立ち台で笑顔を見せた。6日の楽天戦に先発し、115球を投げて6回1失点の粘投。今季2勝目(0敗)を手にし、チームも首位に浮上した。
2年目の今季は開幕ローテ入りするも、初戦となった4月3日の西武戦で5回4失点の炎上。二軍落ちを命じられ、6月29日に一軍復帰。それから2連勝だ。
この東浜は登録抹消中、二軍で3完投もしている。育成の場である二軍では通常、1試合で複数の投手にチャンスを与えて鍛えるもの。にもかかわらず、ソフトバンクの二軍投手陣は東浜を含めて計6完投。当然、12球団一だ。これは今季から就任したホークスOBの山内孝徳二軍投手コーチの方針。ある球団関係者が言う。
「一軍の先発で使う投手は、長いイニングを投げる必要がある。これまでのような鍛え方では、試合中の修正や苦しい時に投げる経験が身に付きにくい。二軍投手は『山内さんも古いタイプのコーチなのか。ぶっ壊される』と戦々恐々でしたが、そのあたりを承知している山内コーチは無理強いはしない。結果も出ているから、納得するしかありません」
東浜の好調が続けば、ソフトバンク二軍の完投数は増えそうだ。