幹部の「裏金問題」お咎めなし いまだ身内に甘い相撲協会

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「人の物を盗めば窃盗だし、返したからそれで済むという理屈は通らない。(受け取った裏金を)返したからそれでチャラというのは、どう考えたっておかしな話ですよ」

 作家の吉川潮氏がこう言う。パチンコ台の肖像権契約をめぐり、相撲協会顧問が業者側から現金を受け取る動画が流出した件で去る20日、相撲協会が問題なしと結論付けたことに関してだ。

 事件の調査をした危機管理委員会の宗像紀夫委員長は、「関係者数人からの聞き取りやメールのチェックを行い、顧問は現金を受け取った後で返却したと判断した」と言った。

 問題の動画にはくだんの協会顧問が、裏金を渡した代理人関係者に「絶対にバレんようにしてくれる?」とクギを刺す場面や、紙袋の中の札束を取り出して金額を確認するシーンなどがバッチリ映っている。返すつもりならバレないようになどとお願いする必要はまったくないし、百歩譲って返したとしても、それで問題がチャラになるわけではない。重要なのは公益財団法人の幹部が、内緒にしなければいけないようなカネを一度は受け取ったという事実だ。

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