今季3位の阪神と日ハム 過去10年成績“雲泥の差”の理由
去年の春先、阪神対日本ハム戦が行われたときのことだ。ネット裏にいた日本ハムのフロント数人が、今成亮太(26)が外野で守備練習をしている姿を見て笑ったという。
今成は一昨年の12年4月、捕手不足の阪神が日ハムに頭を下げてトレードで獲得した選手。なのに阪神はリードに問題があると「捕手失格」の烙印を押し、昨オフに今成と同タイプで打撃のいい捕手の日高剛(37)をFAで獲得。日ハムフロント陣は、今成の打撃を生かすため、外野で使おうという阪神の一貫性のないスタンスに、「何を考えているのか分からない」とクビをひねったのだ。
日ハムは「ドラフトと育成」がチームづくりの根幹。藤井純一前球団社長(65)は「3年に1回は優勝する。それがチームの考え方」と話していた。一方の阪神は日ハムと違って、関西マスコミがこぞって注目する老舗人気球団。常に勝つことが求められ、毎年のように大金をかけて選手を外部から補強する。
置かれた状況や環境は異なるし、今季は同じ3位とはいえ、過去10年の成績を見ると、優勝4回の日ハムに対し、阪神は1回。常勝を義務付けられる阪神が、「3年に1回勝てばいい」日ハムの後塵を拝している。