ファイナル直前 巨人原監督が自ら語った07年の“トラウマ”
指揮官のトラウマはセ・リーグCS元年の07年だ。今季と同じくリーグ1位の巨人が2位中日を迎えたCSファイナルステージ。巨人は中日の第1戦の先発を山井ら右投手と予想。意気揚々と左打者をズラリと並べた。それが、フタを開けてみれば、その年の巨人戦に1試合しか投げていない左腕の小笠原。この時、当時の篠塚打撃コーチが「むちゃくちゃだよ」と言いながら資料室に駆け込む姿が目撃されるなど、試合開始直前の巨人ベンチは騒然となった。結局、小笠原に好投を許して初戦を落とすと、出はなをくじかれた巨人は3連敗。CS敗退が決まった。
話はそれで終わらない。原監督は直後から体調を崩し、怒った渡辺球団会長(当時)には「落合君(中日監督)の方が頭が良かった」と嫌みを言われる始末。7年が経過した今でもCSの苦過ぎる記憶として脳裏に焼き付いているのだ。
阪神は14日、決戦の地・東京ドームではなく、甲子園で練習を行った。先発が予想される藤浪、岩田の他に、広島とのファーストステージ第1戦に先発したメッセンジャーも加わり、3人が同じ調整で煙幕を張った。今季13勝で最多勝と最多奪三振の2冠に輝いたメッセは、巨人戦4勝1敗のGキラー。中3日となるため、巨人陣営は「初戦はないでしょう」と相手にしていないが、余裕しゃくしゃくの原監督に一泡吹かせるなら、これくらいの「非常識戦法」でないと、阪神に勝ち目はないということだろう。