ロッテドラ2京大・田中 「体操で五輪の夢」閉ざした父の一言
■東大から志望変えも父親が助言
田中は高校3年の春まで東大を目指していた。それが、受験の半年前に急きょ京大に志望校を変えた。これも京大卒の克則さんの助言だった。
実体験に基づいた視点から、大学での研究環境や施設の充実度などを息子に細かく説明。何度も話し合った結果、最終的に田中自身が京大受験を決めたという。本人が「両親には本当に感謝している」と何度も口にするのはこうした家族の支援があったからだろう。
京大初のプロ野球選手――この決断に克則さんは「地獄を見てこい」と送り出す。
1部上場の大手商社・三井物産から内定をもらいながら、あえていばらの道を選択した息子の決断については昌美さんがこう語る。
「英祐は夏ごろまでずっと『プロから指名がきたらどうするか』と悩んでいました。今回ばかりは私たちではわからない未知の世界。でも、最後は自分で『挑戦したい』と言っていましたから。私もお父さんもその決断を応援するしかないですよね」
生き馬の目を抜く厳しい世界に飛び込む秀才。話題性だけでは終わらない。