金子メジャー先送り 球団が「入札金」より固執するリーグ優勝
「イチローは当時FAを取得する前年でした。つまり来オフ、海外FAを取得する金子と同じケースです。翌年になればFAを行使して、出て行ってしまうが、入札制度を利用すれば球団に入札金が入る状況だった。球団の内々の調査では10億円以上の値段が付くということでした。それでも宮内さんは当初、ポスティングでイチローを売ることに反対だった。年に20億円近い赤字を抱える球団の幹部が宮内さんを説得し渋々、入札制度を認めた経緯がある。けれども、いまのオリックスは本体の規模も体力も当時とはケタ違い。20億円の入札金を目当てに、金子を売り飛ばすことはあり得ません」
■優勝に必要なエースを失う可能性
宮内オーナーにとって20億円の入札金より手にしたいのが96年以来、18年間も遠ざかっているリーグ優勝なのだという。
「特に今季は最終戦でソフトバンクの後塵を拝しましたからね。その悔しさはハンパじゃないと聞いています。とにかく来年は勝ちたいし、補強費用も惜しむなとフロントに号令をかけている。投手陣の柱である金子は何としても残留させたいのです」(前出の記者)