2年連続100勝超え 北村宏司騎手に聞いた“飛躍の転機”
――それから78勝→88勝と右肩上がり。何か気持ちに変化があったのですか。
「自分自身“もっと勝たなければいけない”という気になりましたね。危機感と聞かれれば、そうかもしれません。いろんな厩舎に声をかけて調教に乗せてもらいました。一番不安になっていた時に応援していただいた先生方には、本当に感謝しています」
――そういった経緯があり、今は藤沢和厩舎の主戦格を務めています。秋の天皇賞ではスピルバーグで勝利。レースを振り返ってください。
「ペースが流れていないのは分かっていたし、直線の入り口では前と結構離れていましたが、スピルバーグなら間に合うと信じて外を回しました。期待通りにいい脚を使ってくれました」
――先生からは褒められましたか。
「いえ。“外に出すのが早い”って言われました。勝ったからって調子に乗るなよってことじゃないですか(苦笑い)。先生の管理馬でGⅠを勝たせてもらえたのはもちろん、山本英俊オーナーの馬で勝てたこともうれしかったです。オーナーの初めての出走馬だったミスターケビンに、デビュー戦から乗せてもらっているように、ずっと応援していただいているので。やっと少しでも恩返しできたかなと」