米ツアー専念の松山英樹に制裁金 「時代に逆行」と非難の声
球界OBの中には、「育ててもらった日本球界を捨てるなら、2年や3年、門戸を閉じるのは当たり前。5年でもいい」なんて声もある。日本ハムの大谷が花巻東高3年の時にメジャー挑戦を熱望した際も、プロ球界は超高校級選手の海外流出に危機感を募らせた。要するに「日本で育った有望選手は必ずドラフトを経てからプロ野球選手になれ」ということだ。
その一方で、補強で外国人選手をバンバン取って、若い芽を摘んでいる球団もある。今や日本球界は助っ人天国だ。スポーツライターの織田淳太郎氏もこう言う。
「日本には封建的な徒弟制度の文化がある。スポーツ界もそうです。まず、カネを生む選手は自分たちの組織に所属させ、『自分たちのものだ』となる。海外に行くとなると『育ててくれた恩を忘れたか』となる。それはボクシングの世界にもある。米国にはジムというものがない。選手は個人でマネジャーやトレーナーと契約し、使用料を払って公共のジムで練習する。日本ではジムに所属しないと国内で試合ができない。大相撲さながらです。ロンドン五輪金メダルでプロ転向した村田諒太(28)はミドル級(69.853~72.575キロ)ですから、ライバルの多い海外で試合をやらなければ強くならない。海外を拠点にするべきだが、利権なども絡んで国内に縛られているのです」
世界を目指す子供は、一日も早く海を渡るしかないのだ。