日本レスリング 「十日町合宿」に男子を強制参加させる狙い
東京五輪に向けて男子レスリングにメスが入る。これまで女子のみで行っていた新潟県十日町での合宿に、男子を強制的に参加させるというのだ。
日本代表の強化選手を集めて行われる「十日町合宿」は毎年8月、1週間にわたって体力強化や技術向上に取り組む。午前、午後とも2時間の実戦練習の他、「金メダル坂」といわれる片道800メートルの坂を同じ階級の選手を背負ってダッシュするのが、恒例メニューとなっている。
十日町の山奥にある合宿所は、最寄りの越後湯沢駅から車で1時間20分の場所にある。周囲には飲食店はもちろん、コンビニすらない。レスリング漬けの日々を過ごし、息抜きもままならないため「早く帰りたい」と弱音を吐く選手は少なくない。
実は男子を強制的に参加させる狙いはそこにある。日本代表の栄和人強化委員長は「男子には10日間ぐらいやらせる。十日町では精神的に追い込み、合宿のつらさを男子にも経験してもらう。東京で伸び伸びやっていては強くはならない」と精神面を叩き直すと明かした。
栄強化委員長によれば、男子は東京五輪でのメダル量産を目指して5年計画で強化に励むという。十日町で鍛えられた男子から何人のメダリストが誕生することやら。