原監督はカッター絶賛 巨人高木勇人が持つもう一つの“武器”
「上々のスタートが切れて順調過ぎるくらい順調にきています。でもこの先、必ず失敗します。そこでいかにリスタートするか。失敗した後が成長できるチャンスだと思っています」
巨人にドラフト3位で入団した高木勇人(25)に宮崎での1次キャンプ中、三重・海星高から入社し、7年間在籍した三菱重工名古屋の佐伯功監督が陣中見舞いに訪れた。恩師と食事に出掛けた席で高木は、こう決意表明したという。同監督が言う。
「周りが見えているなと安心しました。入社した頃はスピードばかり追い求めていた。やってやるぞという気持ちが強過ぎて空回り。力んで制球もフォームも乱していた。私が教えたのは当たり前のことばかり。『バランス良く投げろ』と。ドラフトで毎年のように指名を待って、失敗を重ねながら成長してきましたから」
ドラフト指名漏れは高校3年時から実に5度を数える。「6度目の正直」でプロの扉をこじ開けた苦労人である。
178センチ、88キロ。今でこそ堂々とした体格をしているが、入社当時は60キロそこそこしかなかった。7年間で25キロも増量。佐伯監督が続ける。