3年ぶり「2時間7分台」で大騒ぎ 日本男子マラソン進化せず
ある陸上関係者がこう語る。
「長距離に関わっている者で、東京五輪のマラソンでメダルが取れると思っている人は皆無です。記録を狙う高速レースでは3位以内は無理でも、気候や駆け引きがレースを左右するといわれる五輪なら、(2時間)7分台のタイムでもメダル争いのチャンスはあるという声もある。でも、暑さに強く、コンスタントに2時間6分から7分で走れる選手でなければ、五輪のメダルだって厳しい」
■代表合宿でつぶされる
日本のマラソンは昨年からナショナルチームを編成し、強化に取り組んでいる。前出の関係者は「それはけっこうなこと。問題は指導者なんです」と言って、こう続ける。
「マラソン部長の宗(猛)さん(62)は、選手の能力などを考慮せず、自分の立てたスケジュールを押し付ける。『あのやり方ではつぶされる』といって、自分が教える選手を代表合宿に参加させたくないという監督もいる。日本のマラソンを進化させるには、詳細なタイム設定やスピード重視の練習が重要です。アフリカ勢の練習だって今は科学的です。『昔はこのやり方でタイムが伸びた』というだけの、頭の固い指導者ではダメです」
高岡寿成が日本人最高の2時間6分16秒を出したのは02年のシカゴマラソンだった。地元五輪が5年と半年に迫っても、7分台のタイムが話題になるようでは、入賞(8位以内)もおぼつかない。