4年前と酷似 オープン戦9試合HRゼロの巨人に不吉な兆候
肌寒い天候同様、巨人打線もお寒い状況に陥っている。
8日、甲子園で行われた阪神とのオープン戦は1-0。打線は7安打で打点は大田のポテンヒットのみだった。原辰徳監督(56)は「(大田は)追い込まれて、ずっとしのぎながら打った。2死からああいうヒットが出ると大きい」と称えたものの、オープン戦9試合を終え、12球団で唯一、巨人だけが本塁打ゼロ。「4番が出てこないのが課題」と話していたその4番にはセペダが入ったが、3タコと元気がなかった。
指揮官は貧打に泣いた昨季の教訓から、「野性」をテーマに今季に臨んでいる。体感160キロの超高速マシン練習を導入するなど、打線強化を図ってきた。それが、本塁打どころかチーム打率も.237と低調。故障の影響で阿部、アンダーソン、長野といった中軸打者が不在。まだオープン戦ではあるが、楽観はできない。不吉な兆候だからだ。
■リーグ3位に終わった4年前
オープン戦でなかなか本塁打が出ず、マスコミに騒がれた年があった。飛ばないとされる統一球元年、4年前の11年である。いら立った原監督が「もっと大きく振っていけよ」とナインにゲキを飛ばす事態となり、オープン戦9試合目でやっと長野が一発を放った。しかし、貧打はそのままシーズンに持ち越され、終わってみればチーム打率は.266→243、得点は711→471、本塁打も226→108と前年から大暴落。不動の4番だったラミレスが外れることが多くなり、途中から阿部、長野、高橋由らが代わる代わる4番を務めた。原監督が組んだ打順は、113通りだった昨年並みの108通り。バタバタしたチームはリーグ3位に沈み、2年連続のV逸となった。さるチーム関係者が言う。