常勝軍団なぜ? チーム在籍40年の重鎮が見た「中日の低迷」
――落合監督は8年間で4度のリーグ優勝、1度の日本一を達成しました。
「契約のことと同様、彼は弁護士じゃないが“法律”の中でいかに勝つかというのを一年中考えていた。ある年、後半戦から試合球のメーカーを替え、反発係数が低くて飛ばないボールにして優勝した。1年目のオフには、ナゴヤドームに芝の張り替えを提案したり、本塁打の判定をわかりやすくするためフェンスの上に黒いクッションを置き、両翼のポールも天井まで伸ばした。落合監督にしかできませんよ」
――そして11年限りで退任することに……。
「社長らも同席し、私が話をすることになった。彼は来年も監督をやるつもりでいたと思います。でも私から『今年限りで契約は更新しない』と伝えたら、彼も『わかりました』と。丁々発止ではないが、彼も球団に思うこともあって、そうか、そうだよなという話もしましたね」
――高年俸(3億7000万円=推定)が解任理由のひとつとされました。
「年俸は彼が要求したわけではない。落合監督の契約は星野、山田両監督と同じで、勝てばベースアップしていく。成績がいいから、どんどん年俸が上がっていった。一時、ベースアップをやめようという話が出たこともあったが、年俸が高騰するとは誰も想定していなかったと思います」