開幕4連勝の巨人・高木勇 凡打の山築いた2種類の“魔球”
巨人の高木勇人(25)が球団の新人では07年の金刃(現楽天)以来、8年ぶりの開幕4連勝を飾った。26日のヤクルト戦で7回3安打1失点の好投。リーグ単独トップの4勝目を挙げ、新人ながら月間MVPも見えてきた。
「素直にうれしいけど、野手の皆さんに打ってもらって何とか勝てているんで」と謙虚。防御率は1.50。抜群の安定感でチームを引っ張っている。
武器は大きく横に滑るカットボール。春季キャンプ中に「あれは独特」と驚いた原監督が「高木ボール」と命名した。曲がり方は「カットボールとスライダーの中間」とは捕手の加藤。曲がりが大き過ぎず、小さ過ぎずがミソ。社会人4年目に習得したという“魔球”だが、高木ボールは実はこれだけではない。2種類あるというのだ。
「高木には『縦のカットボール』もあるんです。試合でも投げていて、本人も隠しているわけではないんだけど、原監督やマスコミが盛んに『横滑り』と言うもんだから、他球団は当然、それを意識する。高木はそれを利用というか、逆手に取っている。宝刀の横カットを使いながら、勝負どころでは縦カットとフォーク、逆の変化でもあるシュートと右打者の内角へ直球を投げ込んでいる。ほんわかとして、いかにも人が良さそうな顔をしているけど、ドラフトで5度も指名漏れを経験した社会人出身の苦労人。その辺の新人とは違います」(チーム関係者)