ジャイアンツ青木 首位打者への課題は“アンバランス”克服
打者には好不調の波、打撃のバイオリズムがある。5試合平均打率をみると、ゴールドシュミットは5割以上の「山」が4回あるが、青木は2回と絶好調が少ない。
逆に2割を切るような「谷」が青木は5回と多く、ゴールドシュミットは2回だ。
青木に低迷が多い理由は、ジャイアンツのホーム球場(AT&Tパーク)で打てないこと。ビジターでは打率.395なのにホームで.246。力みがあるのか、ホーム球場では三振も目立つ。その点ゴールドシュミットは、両方で3割5分前後を打っている。
青木の「アンバランス」は他にもある。左腕から.343だが、右腕から・307。「投手人口」の多い右腕をやや苦手としている。ゴールドシュミットはこの点でも、両方から3割5分以上を打っている。
2ストライクに追い込まれてからの打率は両者3割前後で互角だが、追い込まれるまでに大差が潜む。ゴールドシュミットは.407と高打率を残しているが、青木は.333と平凡。特に0ボール1ストライクのカウントからゴールドシュミットは・458とつるべ打ち。青木は・143と天を仰いでいる。この差が大きい。投手有利な状況から配球を読んで打ち返すことが、首位打者へ近づく条件だ。ライバルは他にもいる。ナショナルズの天才打者、ハーパーが・340の3位に付けている。
▽小野俊哉 1961年岡山出身。スポーツ・アクセス㈲取締役社長。早大理工学部卒、味の素、住友金属工業を経て、03年同社設立。プロ野球、メジャーリーグの記録を分析、評論し各メディアやメジャー球団に情報を提供している。