コーチ、恩師が証言 ソフトBの“怪物”柳田悠岐を全解剖
■大学通算8本塁打
ドラフト時に王会長の「誰が一番、ボールを飛ばせるんだ?」の鶴の一声で決まった2位指名。しかし、大学では通算82試合で打率・428ながら、たったの8本塁打しか打っていない。柳田を育てた広島経大野球部の前監督、龍憲一氏は「それは仕方ありませんよ」とこう続ける。
「柳田のパワーは近隣に知れ渡っていた。彼が打席に立つと外野はみんなフェンス際まで下がるし、投手は一発を打たれたくないから外角低めばかりに投げる。それでも打球は強烈でした。試合でバックスクリーンの上を越えたこともあります。練習でもそう。フリー打撃では野球場の向こうにあった陸上競技場にポンポン放り込んでいましたから。飛距離は大体、140から150メートルはあったでしょうね」
■赤ヘル党
広島出身で「広島にFA移籍するのが夢」と言う赤ヘル党。それだけに広島では「なぜドラフト指名しなかったんだ!」という球団への怨嗟の声が渦巻いているという。
「当時の広島は左打者が多く、むしろ右打者を探していたんですよ。もし、柳田が3位か4位まで残っていたら指名したかもしれません」(龍氏)