「32試合連続安打」を捨てて四球選んだ西武・秋山の“矜持”
その瞬間、西武プリンスドームがタメ息に包まれた。
同点の延長十回裏1死走者なし。あと2試合で33試合連続安打のプロ野球記録に並ぶ西武の秋山翔吾(27)は、そこまで4打数ノーヒット。延長戦に入ったおかげで回ってきた5打席目は、しかし、四球だった。この瞬間、連続試合安打は「31」でストップした。
マウンド上は楽天の青山。フルカウントからの6球目は、外角にわずか外れたストレート。秋山のバットコントロールをもってすれば安打も狙えた球だった。
「打っていいという指示があったんですけど、やっぱり(チームが)連敗している中で、自分勝手なバッティングはできない。チームの流れも悪くなるので。我慢しました」とはヒーローインタビューでの本人。
そしてベンチ裏に戻ると、こう続けた。
「(記録ストップは)相手が上ということ。でも、フォアボールで塁に出られたので、自分の中ではすがすがしい感じでした。きょうのような場面が来たらまた打ちにいかない? そうですね。塁に出ることを考えているので」