5年ぶり甲子園の興南 復活の陰に名将・我喜屋監督“負担減”
興南が聖地に帰ってくる。19日の沖縄大会決勝でセンバツ出場の糸満を4-2で下し、全国のトップを切って甲子園出場を決めた。全国舞台は、エース左腕の島袋(現ソフトバンク)を擁して春夏連覇を果たした10年以来。チームを5年ぶりの甲子園に導いたのは、その「島袋2世」の異名をとる、2年生左腕エースの比屋根雅也である。
「トルネード投法で全国の頂点に立った島袋を彷彿とさせる投球フォームが特徴。173センチ、64キロと島袋同様に投手としては体格に恵まれず、直球のMAXも136キロ止まり。ですが、大きくインステップする独特の投法で、右打者の内角にクロスファイアで入ってくるストレートは高校生レベルではかなり厄介です。今春の県大会決勝で10者連続三振。九州大会2回戦では敗れたとはいえ、延長十二回で18奪三振、県内を大騒ぎさせました」(アマ野球担当記者)
今大会も5戦中4試合に先発して2完封を含む4完投。40回3分の2を投げて防御率0.89と安定感は抜群だ。
「興南があの春夏連覇以来、甲子園から遠ざかっていたのは、皮肉にもその連続優勝が原因のひとつです。全国的名将になった我喜屋監督(65)の負担が増大しましてね。10年7月に興南中学・高校を運営する『学校法人興南学園』の理事長に就任し、11年4月には興南中学・高校の校長も兼任することになった。さらには寮の管理人もやっていて、野球部監督を含めたら1人4役。物理的に野球部にかける時間が少なくなったのです。とはいえそれも、4年、5年が経って仕事のリズムが整ってきた」(沖縄高校野球関係者)
5年ぶりの甲子園出場を決めた我喜屋監督は、「堂々と自分たちの野球をさせたい」と自信ありげに笑っている。