陸連・原田強化委員長 「世界陸上」不振で引責辞任の今さら感
現場の混乱に拍車をかけるだけだ。25日、日本陸連の原田康弘強化委員長(60)が8月の世界陸上(北京)の不振を理由に、辞任の意思を明らかにした。すでに辞表は提出済みという。
世界陸上では「メダル2、入賞6」を目標にしながら、結果は「メダル1、入賞2」。中でも問題になったのが男子400メートルリレーの予選落ちだ。08年の北京五輪では銅メダルを獲得。トラック競技では日本が唯一世界と互角以上に戦える競技だったからだ。
ある陸連関係者が言う。
「100メートル9秒台がゴロゴロいるジャマイカなどの強豪国はそれぞれが好き勝手に走ることが多く、エースを決勝まで温存することもある。しかし、日本は個々の力で劣るため、バトン技術で勝負するしかない。そのため、予選からメンバーを変えずに走ることが基本だったはず。なのにサニブラウンを温存した上、バトンミスで予選落ちですからね。自らメダルを放棄したようなもの。陸連の大失態ですよ」
原田委員長の辞任は当然だが、すでに来年のリオ五輪まで1年もない。今から強化部門のトップを代えたところで焼け石に水だろう。2012年に原田委員長が現職に就任した時点で、リオ五輪の大惨敗は決まったようなものだ。