著者のコラム一覧
児玉光雄追手門学院大学客員教授

47年兵庫生まれ。京大工学部卒業。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院に学び工学修士号を取得。米国オリンピック委員会スポーツ科学部門本部の客員研究員として五輪選手のデータ分析に従事。前鹿屋体育大教授。日本スポーツ心理学会会員、日本体育学会会員。

心理学者が解説 日本女子ゴルフから「世界の強豪」出ない理由

公開日: 更新日:

 心理学においても、「ご褒美は必ず何かを達成した後で与えなければならない」という法則がある。アルバータ大学のジュディ・キャメロン博士は、「ご褒美は確かにモチベーションを上げてくれるが、決して成果が挙がる前にそれを差し出してはならない」と主張している。

 特にこれから日本の女子プロゴルフ界を背負って立つ有能な若いプロが、コースで成果を挙げる前に手厚い経済面のサポートを受けると、彼女たちの潜在能力にフタをしてしまい、成長を止めてしまうことを私は危惧している。

 米LPGAツアーは終盤に差しかかっているが、参戦している日本の女子プロの成績は概して振るわない。今、世界で通用する女子プロを「量産」することが急務である。それには、ツアーシステムの改善が求められる。

 例えば、下部ツアーの充実である。ステップアップの試合数を増やし、レギュラーツアーに出場できない若い選手たちになお一層、切磋琢磨する機会を与える。あるいは、ステップアップ上位者数人への翌年のシード権の付与や、QTファイナルのランキングをシーズン途中でシャッフルするなど、優れた若手がレギュラーツアーで活躍できる機会をもっと与える。

 シード選手といえども安閑としていられない、群雄割拠の状況をつくり出すべきだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…