<第1回>「出雲さえ乗り切ったら大学駅伝3冠はいける」
これでチームの状態が上向き、箱根で優勝争いに食い込めるだけの戦力が整ったのである。
「調子の良い選手が多くて、幾通りもの区間配置を想定できたんです。私の中で【ワクワク指数】が上がったのです」
昨年12月10日。箱根駅伝の記者会見で原監督が「ワクワク大作戦」という作戦名をブチ上げた。
「箱根が近づくにつれて取材も増え、選手たちはドキドキしているように見えました。緊張をほぐす意味も込めて命名しました。箱根では、多くの駅伝ファンに青学を注目してもらいたかった。そもそも選手起用に関して自分自身、喜びが抑えられないという部分もあった。この【ワクワク】には、いろんな意味が込められているのです」
旧来の大学体育会には似つかわしくない作戦名だが、数々の新風を吹かせてきた原監督らしいネーミングだった。それも功を奏してか、青学大のフレッシュグリーンのたすきが箱根路で躍動した。
そして、いよいよ“大本命として臨む”駅伝シーズンが幕を開ける。