真中・工藤の“舌戦”もなく 静かすぎる日本シリーズ「前哨戦」
すっかり球界も秋めいてきた。
巨人原監督の退任による次期監督問題、阪神の金本監督就任といった、人事の話が持ちきりになっているプロ野球。21日にはDeNAのラミレス新監督の就任会見が行われる。まるでストーブリーグさながらの様相に、日本シリーズ(24日開幕)がまだ始まってもいないことを忘れているファンが多いのではないか。
出場チームのファンのみならず、本来なら野球ファンの多くが熱狂する球界最大の祭典。それが今はほとんど話題にもならない。
確かに巨人、阪神という人気球団の監督交代の前には、対戦前の「日本シリーズ」がスポーツ紙の片隅に追いやられるのも無理はないかもしれない。しかし、原因はそれだけなのか。
例えば、野村克也氏はヤクルト監督時代の95年、オリックスとの日本シリーズに向けて、「徹底的にイチロー(現マーリンズ)の内角を攻める」とマスコミに明言し、情報戦を仕掛けた。プロ野球は興行でもあり、ファンの耳目を集めることも必要だ。現役時代は人気のないパ・リーグ育ちの野村監督は、勝負に勝つことと同時に常にファンの目を意識したコメントを考えていた。