負傷の右ヒザは完治ほど遠く…照ノ富士は「綱とり」なぜ焦る
8日に初日を迎えた大相撲九州場所。今場所に綱とりがかかる大関・照ノ富士(23)は逸ノ城(22)とのモンゴル対決を制し、まずは1勝を手にした。
しかし、先場所痛めた右ヒザの靱帯は完治しておらず、動きも鈍い。20秒という長い相撲でヒザに負担がかかったのだろう。土俵を下りる時も一歩一歩、確かめるかのように慎重な足取りだった。
「足の状態が良くない。力が入らない」とは取組後の照ノ富士だ。
そもそも、今場所の綱とり自体、むちゃを通り越して無謀なのだ。先場所は優勝同点と言えば聞こえはいいものの、12勝止まり。北の湖理事長(元横綱)も「優勝同点でも、13勝と12勝では重みが違う」と、綱とりには否定的な見方をしている。照ノ富士が今場所で昇進を決めるためには、それこそ全勝優勝しか残されていない。
しかし、ここで無理をすれば力士の生命線である右ヒザの故障を悪化させかねない。負傷箇所が箇所だけに、休場だけで済むならば御の字。下手をすれば、今後の力士生命にも影響する。ヒザの故障で土俵を去った力士は掃いて捨てるほどいる。
照ノ富士は、いずれ横綱になるであろう有望な力士。無理をすべきは「今」ではない。