NPBなぜ弱腰 巨人への制裁金1000万円の“抑止力”に疑問符
ゾウが蚊に刺された程度の「処分」だ。
プロ野球界を揺るがす巨人選手の野球賭博問題。日本野球機構(NPB)の熊崎勝彦コミッショナーが去る10日、福田聡志(32)、笠原将生(24)、松本竜也(22)の3選手を無期失格処分にした。
3選手は今後、処分を解かれない限り、他国や独立リーグでのプレーはもちろん、アマ球界の指導者にもなれない。
球界から追い出されることになった福田は、「今後はわからない。野球しかしてこなかったので……」と語ったそうだが、彼らにとっての「第二の人生」が厳しいものになることは想像に難くない。
一方、NPBは巨人に対しても1000万円の制裁金を科す裁定を下した。NPB関係者によればこの金額は、過去の制裁金の例を参考にし、今回は報告、調査が迅速で、調査委員会に協力的だったことから決まったという。
ビジネス評論家の菅野宏三氏は、「たった1000万円ですか?」と言ってこう続けた。
「巨人にとって、痛くも痒くもない金額ですよ。これで制裁といわれても納得するファンはいません。今回の事件は何よりファンの信頼を裏切った。そのファンを無視した処分です。例えば億単位の制裁金を科し、それを少年野球の支援や慈善事業に使う手もある。また、来季は全試合、未成年者を無料にするとか、主催試合を半減し、ドラフト指名権も剥奪するなど、球団に痛みが伴う厳しい制裁はさまざまあるし、厳しいからこそ処分といえるのです」