違法賭博の元守護神・呉昇桓が“安堵”のカージナルス入り
一時は永久追放のピンチに立たされた前阪神の守護神の移籍先が決まった。
カージナルスは11日(日本時間12日)、韓国人右腕の呉昇桓の入団を発表した。1年契約で17年は球団が選択権を持つオプション。米メディアによれば年俸は500万ドル(約5億9000万円)だという。
「背番号26」のユニホームに身を包んで本拠地「ブッシュ・スタジアム」で会見した呉は「ようやく夢がかなった」と喜びを口にした。
カージナルスには2年連続40セーブ以上をマークしている右腕ローゼンタルがいるため、呉は守護神へのつなぎ役であるセットアッパーを任されるとみられる。
韓国プロ野球「三星ライオンズ」時代には歴代最多の277セーブをマークして14年に阪神に移籍。14、15年と2年連続最多セーブのタイトルを獲得した。阪神では通算127試合で4勝7敗80セーブ、防御率2.25。昨季限りで契約が切れ、阪神残留も視野にメジャー移籍を目指していたが、マカオで違法カジノに興じたとして韓国検察から「単純賭博罪」で起訴され、罰金の略式命令を受けた。一時は球界からの永久追放処分が科される可能性もあり、阪神は昨年12月に交渉を打ち切り、再契約を断念した。韓国プロ野球に復帰した際は、1年目の公式戦の半数が出場停止となる処分が決まっており、呉は日本か米国でプレーする道しか残されていなかった。入団会見で「新しい環境を探していた」と安堵の表情を見せたのは当然だろう。
カージナルスは過去5年連続でポストシーズンに進出(2度のワールドシリーズ出場含む)しているナ・リーグ中地区の強豪だ。賭博でケチをつけた元守護神はメジャーの強打者相手にどこまで通用するか。