前週大会でスロープレー罰金 スピース“怒り”の3位発進
温厚なスピースもカチンときて競技委員に「常識的に考えてみろ」と抗議した。というのも、グリーン上にいた時に後続組がまだフェアウエーにも来ておらず、同組のR・マキロイ、R・ファウラーも「そんなに遅くない」と援護するなど、違反認定がおかしかったからだ。結局、判定は覆らず、2600ユーロ(約33万円)の罰金を支払うことになった。
実は大会前、欧州ツアーは、遅延プレーに関する新たな指針を発表したばかり。そのスケープゴートにされたともっぱらだ。米ゴルフ事情に詳しいスポーツライターの吉川英三郎氏がこう言う。
「スピースがスロープレー違反の第1号となれば、世界中のゴルフ界に与えるインパクトは大きい。世界ではゴルフ人口が急速に減少しており、それに歯止めをかけるためには、プレー時間を短縮するしかありません。1ラウンドに5時間もかかれば、ゴルフプレーだけで一日が潰れてしまう。これが3時間半に短縮されれば、ゴルフだけでなく一日を有効に使える。ゴルフ場が自分の家から近くにある米国や欧州などでは、半日で楽しめ、ゴルフ人口減を食い止めることができる。おそらくスピースのアピアランスフィは5000万円は下らないでしょうから、罰金33万円なら痛くもかゆくもありません。しかも欧州ツアーの選手でもないので競技委員もペナルティーを言いやすかったのでしょう。でも、米ツアーでもプレー進行が速い方のスピースは納得がいかず、相当頭にきていたようです」
初日の4バーディーで前週のモヤモヤがすべて吹き飛んだとも思わないが、残り3日間のスコアでスロープレー違反1号の怒りがよくわかるはずだ。